https://www.cardanohub.org/ja/weekly-technical-report-2/
にて週刊技術レポートが更新されましたので転載いたします。

今週の開発者からのハイライト

コア

 取引所オンボーディング
この1週間で、移行ずみのV1エンドポイントのほぼすべてについてコーディングを終えて手動テストを行い、開発部門と統合した。
取引所エンドポイント(V1)のテストに向けた提案もおおむね終了している。
今後必要なのは、V1エンドポイントをテストする方法に関する例を書き出すことである。


 コアバックログ
CSLにおける例外処理のリファクタリングについて、主要チームメンバー数名が議論を行った。
ガイドラインの変更はプロセス処理方法に大きな影響があり得るとの意見が出た。
一方、提案プロセスに対する懸念を表明する声もあり、その懸念を考慮した解決策の提案を行い、現在更なる洗い出しを行っている。
HTTPベースのブロック同期の概念実証の主要部分はいくつかの要素から成る。
ブロックダウンロードはすでに準備が整い、現在テスト中である。ブロックチェーンダンプ生成ツールもすでに準備でき、目下レビュー待ちである。
チームでは、最終期限が合意されていることを踏まえ、ダンプ生成ツールなしで開始可能であると考えている。
なぜならば、ブロックチェーンダンプは手動でも生成可能で、週に1度の生成で良いからだ。更に、ダイダロス統合も進行中だ。
チームの報告によれば、それにはさほど時間はかからないが、スモークテストが必要だろうということだ。
ブロックチェーンダンプのホスティングは比較的短時間で行えるが、そのような操作にはデブオプスの支援が必要だろう。

 APIリライト
トランザクションエンドポイント(V1)の実装と、V0の場合と同じロジックでのテストは成功した。



ダイダロス

今週、ダイダロスチームは、来るべきダイダロス0.9とカルダノ1.1のリリースに向けて、手動テストと品質保証作業を実施した。
このプロセスのなかで、小規模で主に外装的でユーザ経験に関するいくつかの問題の検出と修正を行った。

 ログ発信
ユーザがダイダロスから直接バグレポートを送ることができる機能性を実装するために、かなりの労力を費やした。
2つのフラグ(--storeと--send-logs)をコードベースに追加した。
現在、レポートサーバは最高で1ファイルを受け取るだけである。
この1週間で、アップロードされる最大のファイルサイズは25MBにまで増えた。
この機能性は現在テスト中である。



ウォレットバックエンド

 ウォレットバックエンドデータ層修正
チームのメンバー1名がクイックチェックによる統合的なブロックチェーンの生成において、当初アサインされた作業を終えた。
別のメンバーが実際のウォレットロジックコードを、ブロックアプリケーションから書き始めた。
残念ながら、ランプアップ時間が原因で進捗は遅れている。
一方、ほかのメンバーがブロックロールバックの仕様に取り組んでおり、今後、上級エンジニアのレビューを経て、チームが実装する。

 現在のウォレットバックエンドへの取り組み
性能測定は、あらかじめこの作業にアサインされたメンバーが1.1のリリーステストを終えた後、直ちに再開する予定である。
新しいベンチマークがニューウォレットエンドポイントに追加された。
メモリプールの整合性をとり、統合した。DBスキーマ変更とマイグレーションもまた完了し、現在統合待ちである。
マイグレーションはベンチマークの一環として取り組んでいる。
1名のメンバーが自身の行った変更をベンチマークして、修正作業の効果を「証明する」ことに重点的に取り組んでいた。
チームの計画では、ベンチマークに取り組み続け、メンバーが以前に行った作業をバックポートすることになっている。


ネットワーキング

多数のプルリクエストが完了し、現在は準備ずみ、あるいはレビュー中である。
実装(ブロック)検証提案は、現在別のプルリクエストによってブロックされている。
しかし2名のメンバーが対応中で、水曜日までに終える予定だ。
そのタスクが成功すれば、その後、メンバーが同時進行のブロックストリーミングと検証を完了させるだろう。



DEVOPS

この1週間で、チームはLinuxインストーラーに関して重要な進歩を成し遂げた。
現在もNPMとNixをパッケージするための最善のソリューションへ対応中である。
加えて、チームはCIに対していくつかの改善をし、来るべきリリースに向けた開発支援も行った。



色々なワークストリーム

 ハードウエアウォレット
フェーズ1の受け入れ試験(UAT)の計画を策定した。
これはフェーズ1のリリース候補版が完成し、3月初めにブロックチェーンコンサルタント企業に対し配布終了が発表されることを視野に入れている。 

フェーズ2(レジャーナノS機能性とカルダノのウォレットの統合)に向けた計画策定も、3月初めを予定している。
ダイダロス実装の仕様作成は、ダイダロスの2月リリースに向けたテスト作業が原因で遅れている。
初期リリースは委任サポートを行わないことで合意ずみである。
1名のメンバーがブロックチェーンコンサルタント企業との連携を継続し、LedgerやIOHKが用いるED25519導出実装関連の問題解決に取り組んでいる。

 インセンティブ
2018年2月半ばまでに2名の研究者がソリューション提案を行う予定だった。
しかし、文書の精度向上のために2月末まで更に延長したいとの要請を出している。
提案をレビューするため(さらに、技術的詳細化とシミュレーションフェーズへの移行を行うため)に、2018年2月半ばに計画されていた会合は3月初めに再調整された。
これ以上遅れると、分散化を計画通り進行する妨げとなる可能性がある。
そうなると、インセンティブスキームの評価が、カルダノプラットフォームへの実装と統合を計画するプロセスに先行するだろう。
2名の上級エンジニアが、モデルで要求される信頼レベルを確立するために必要なシミュレーションを実施する予定である。

 スマートコントラクトの言語
さまざまな役割に対する人材を補充しており、現在も進行中である。
内部的に紹介を受けた2名の候補者が選抜される予定。
1名の新メンバーがすでにチームに加わっており、上級エンジニア2名との設計の議論に参加している。
言語機能性の実証にふさわしいテスト構築作業から開始した。議論は目下継続中である。

 サイドチェーン
基礎研究は完了し、主任研究員への報告として国際的研究チームが詳細な学術論文を書き上げた。
チームでは学会提起の可能性に注目している。
それには実験による分析が必要だろう。論文はまもなく内部レビューにむけた処理のために配布される。



テクニカルサポート

ここ1週間で受信したチケットの数にさほど変動はなかった。
技術サポートチームは合計475のチケットを受け取り、そのうち198は無事解決し、残りの277はフォローアップ中。
とりわけ多く報告された問題は以下の通りである。

 ネットワークに接続できない
 アンチウィルス関連の問題
 起動しない
 トランザクション関連の疑問