facebookにて、ユーザー様から情報が書き込まれていましたので、下記サイトから転載いたします。

ブロックチェーンを用いた新たなスマート・コントラクト技術Plutus(プルータス)とは?(Yahooニュースより)」(CNET)

スコットランドのエディンバラ大学で、同大学のブロックチェーン技術研究所により、「Plutus Festカンファレンス」と題したスマート・コントラクト技術に関するイベントが2018年12月11日に開催された。
 このイベントでは、新たなスマート・コントラクト技術Plutus(プルータス)が発表され、スマート・コントラクト技術にまつわる状況、そしてビットコイン、イーサリアムと進化してきたブロックチェーン技術に対して、どういった試みが今なされているのかについて話された。こうしたブロックチェーン技術を取り巻くスマート・コントラクト技術をPlutusと共に紹介したい。

 Plutusとは、元イーサリアムの共同創業者であるチャールズ・ホスキンソン氏が創業した第三世代仮想通貨の開発を行うIOHKによるスマートコントラクト向けのプラットフォームと技術である。このイベントでは、Plutusのテストフォーマットが公開された。

第3世代の仮想通貨技術が開発中--これまでの技術が不十分な理由

 第1世代の仮想通貨が、ブロックチェーン技術を元にしたビットコインであり、第2世代の仮想通貨であるイーサリアムはブロックチェーンに加え、契約の自動化を可能にするスマート・コントラクトという機能が実装された。そしてその次の世代として開発されているのが第3世代の仮想通貨技術であり、Plutusはスマート・コントラクト開発向けに生み出されている。

 スマート・コントラクト技術では、新たな決済、取引、金融プラットフォームの構築や、電子投票システム、グローバル化による分業と専業が進んだ社会における複雑なバリューチェーン上のさまざまな契約や取引を構築しなおそうといった試みがなされており、その一環としてIOHKではエチオピア大学と提携して、コーヒー豆の取引とバリューチェーンをブロックチェーン技術を使って管理しようという試みを行っている。

 そこで生じてくる疑問が、スマート・コントラクトに取り組む上でなぜイーサリアムに代表される第二世代の仮想通貨技術では不十分であったのかということである。

 チャールズ・ホスキンソン氏によると、「イーサリアムではアセットの管理に、Accounting(台帳への会計作業で主に決済に関わってくる)とComputation(計算作業で主にスマート・コントラクト部分に関わってくる)をひとつの台帳で行っている。仕組は単純だが、AccountingとComputationは全く異なる性質を持つもので、Accountingには高い信頼性と、多くのリソースが必要であり、Computationのほうはそこまで信頼性が必要なく、さまざまなリソースが必要となる」と話す。

 そこでIOHKが取り組む第3世代仮想通貨カルダノでは、Accounting部分を受け持つSettlement Layer(SL)とComputing部分を受け持つComputing Layer(CL)の二つのレイヤーにわけ、ひとつの台帳(SL)に対して、複数のCLが紐づけられるようになっている。これにより、「イーサリアムではすべてを一つのシステムの中で対応しなくてはならなかったが、カルダノでは個別に修正が必要な案件や条件などをCLとして個別に修正、調整することが可能になった」と言う。

 またこのCL部分で、イーサリアムやEOS(イーサリアムと競合するスマート・コントラクト向けのブロックチェーンプラットフォーム)、そしてPlutusを走らせることができるため、既存の仕組みを新たな枠組みの中に吸収できることも大きなメリットとなっている。

 イーサリアムではひとつの台帳で全てを管理しようとしたため、結果として多様なルールをひとつの枠組みの中に内包する必要が生じてしまい、またそのことにより安全性も損ないやすい構造となっていたが、こうした新たな仕組みがスマート・コントラクトに対してより柔軟に取り組めるようにしている。

 またPlutusはイーサリアムでよく用いられているPythonやJava Scriptではなく、関数型プログラミング言語であるHaskell(ハスケル)をベースとしている。Haskellは一般的にはPythonやJava Scriptといった現在より広く扱われているプログロミング言語よりも難解であると考えられているが、一方でHaskellでは論理的な間違いが生じにくいため(コンパイラが型を推論できるためプログラマは大部分の型を書く必要がなくなり、コンパイルされたコードはほぼ正確なコードとなる)、スマート・コントラクトに向いているという。こうした特性から現在、Haskellは金融業界などを中心によく利用されている。

 そしてこのイベントが開催されたエディンバラ大学は世界大学ランキングで、20位に入ってくる大学であり、プログラミング言語に関して正解有数の大学でもある。前述のプログラミング言語Haskellの教育にも力を入れており、Haskellを設計したメンバーのひとり、フィリップ・ワドラー氏はエディンバラ大学の理論コンピューターサイエンス学部の教授でもある。またIOHKとの提携により、エディンバラ大学にはブロックチェーン技術研究所が設立されており、15人の博士号の生徒と研究所が所属している。

 このブロックチェーン技術研究所はIOHKとの提携によりエディンバラ大学以外にも、アテネ大学、そして日本の東京工業大学にも設立されている。

 最後に今回、Plutusと一緒に発表されたMarlowe(マーロウ)についても簡単に触れておきたい。MarloweはPlutusを基にしたスマートコントラクト向けに設計されたコンピューター言語(DSL)であり、こども向けのプログラミング教育でよく利用されるスクラッチのようなGUIベースのプログラミングツールで、コードを書くことができない金融関係者やブロックチェーンに取り組む事業者でも、スマート・コントラクトを記述できるように開発されている。

 あらかじめ特定の用途向けに設定されている言語であるため、セキュリティー上の脆弱性が生じてしまうプログラムが生成されないように設計が行われており、IOHKが開発を進めるカルダノのブロックチェーンの他、イーサリアムのブロックチェーン上にも実装が可能となっている。

 インターネット技術が広く普及した今日だが、現在の金融システムはインターネットのような分散技術ではなく古くからの中央集権型のシステムをベースとしており、正常に見える世界の水面下で広がりながら突然道路に穴を開けるようなシンクホールの上に成り立っていると、ホスキンソン氏は言う。「どのようにデジタル技術によって、これまでの取引、契約のやり方を新たに構築できるか。それをこのPlutusで定義したい」